Figmaでデザイナーが作ってくれたけど、完璧に再現できない…」
「コーディングしたら微妙にズレる。どこが違うのかよくわからない…」
Web制作の現場で、デザインと実装の差異はよくある問題です。
Figmaは非常に優れたデザインツールですが、「どうコーディングに落とし込むか」は別問題。再現度が低ければ、クライアントやチームからの信頼にも影響します。
この記事では、FigmaからHTML/CSSへコーディングする際に再現度を高めるための注意ポイントを3つに絞って、徹底解説します。
ピクセル単位で確認する癖をつける
Figmaには素晴らしい**検査モード(”Inspect”タブ)**があります。これを使えば、テキストサイズ、余白、色、ボックスサイズなどのすべてを正確に読み取ることができます。
よくあるNG例
figmaでよくあるNG例が、以下の3つです
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「なんとなくこのくらいでいいか」で
margin
やpadding
を適当に決める -
テキストサイズを”14px”に指定すべきところを”16px”にしてしまう
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デザイン上の
line-height
を無視して詰まりすぎる
解決策
これらの問題に対する具体的な解決策を、以下に一つずつご紹介します。
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必ずFigma上の数値を正確にCSSに反映する癖をつけましょう
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余白やフォントサイズだけでなく、line-heightやletter-spacingも反映
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ブラウザの開発者ツールで表示を拡大し、Figmaと並べて比較するとズレに気付きやすい
ツール補足
正確に値を保持するための、ツールなども活用していきましょう。
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Figmaのグリッド表示機能を活用し、ガイドに沿ったブロック単位のレイアウト確認
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**「寸法メモ用のプラグイン(Measure、Design Lintなど)」**を使うのも有効です
レスポンシブ時の「意図」を読み取る
Figma上では1つのアートボード(例:1440px)でしかデザインされていない場合も多いです。
このとき、「モバイルではどうなるべきか?」を自分で読み取る力が必要になります。
よくあるNG例
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PCのままの横並びをスマホでも無理やり表示しようとする
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要素が小さくなりすぎて読みづらいUIになってしまう
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パディングやフォントが固定のままでスマホ対応できていない
解決策
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デザイナーにスマホ版がなければ「推測し、提案できる力」を持つ
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flex-wrapやGridの活用で自然な改行・再配置を意識する
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文字サイズやマージンは
clamp()
やvw
を使ってスケーラブルに設計することも検討
ポイント
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ブレイクポイントごとの「構造の切り替え」を想像できるかが重要
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Figma側でレスポンシブ設定されている場合は、制約(Constraints)を確認
フォント・色・アイコンなどの「デザインルール」を読み取る
Figmaではコンポーネントやスタイルガイドが用意されていることが多く、これを見落とすと全体のトンマナ(トーン&マナー)が崩れてしまいます。
よくあるNG例
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デザインガイドに「見出しは#333」とあるのに、#000を使ってしまう
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フォントが指定されているのに別フォントを使ってしまう(特に日本語フォント)
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アイコンがSVGで提供されているのに画像にしてしまう
解決策
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Figmaの「Assetsパネル」や「Styles設定」を必ず確認する
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色やタイポグラフィが定義されている場合は、共通CSS変数やSCSS変数にまとめて再利用
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アイコンはSVG化して使う、可能ならinlineで使えばスタイルも効く
Tips
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似たようなボタンでも、パディング・影・角丸のルールが統一されているかを確認
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再現度が高いコーディングは「一貫性の再現」が命です
補足:デザイナーとの連携も再現度を左右する
以下のような一言をデザイナーに伝えるだけで、Figma側でも調整が入り、再現しやすくなることがあります。
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「スマホ版の構造の意図があれば共有してもらえますか?」
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「このアイコンはSVG素材としてもらえますか?」
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「ボタンのホバー時のスタイルも決まってますか?」
良い実装は、良いコミュニケーションとペアで生まれるのです。
まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
ピクセル単位で正確に | Figmaの数値をそのまま写す意識でコーディングする |
レスポンシブの意図を読む | デザインがない場合でも柔軟に構造を考える |
デザインルールを統一再現 | 色・フォント・アイコンなどをすべてガイド通りに守る |
おわりに
Figma→HTMLの再現度を高めるには、ただ「見た目を真似る」だけでは足りません。
デザイン意図の理解と、細部へのこだわり、そして実装者としての想像力が大切です。
再現度の高いコーディングは、信頼されるコーダー・フロントエンドエンジニアへの第一歩です。
ぜひ、明日からの実装にこの3つのポイントを取り入れてみてください!
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